薬屋のひとりごと:新作小説が12月9日発売、同日に漫画連載も開始
映画プロジェクトは日向夏による小説と、同日スタートの漫画化で広がる。
「 薬屋のひとりごと (The Apothecary Diaries)」のフランチャイズに新たな形式が加わる。 Imagica Infosは、小説 『小説 薬屋のひとりごと 某妃の秘宝』 が12月9日に発売されると発表した。同日にはウェブコミック配信サイト「サンデーうぇぶり」で漫画版の連載も始まる。その2日後の12月11日には、このプロジェクト全体の出発点となる映画が日本の劇場で公開される。
これはよくあるノベライズではない。原作小説の著者である日向夏が、長編映画のために新しい物語を書いた。しかし、すべてがスクリーンに収まったわけではない。映画から外れた部分は、映画の物語を広げる追加エピソードを加えた独立した小説として生まれ変わる。日向は脚本を小説化しているのではなく、自身の素材をもとに小説を書いている。
この手法は、近年の日本のメディアミックス作品を思わせる。同じ物語が複数の形式で同時に語られるというものだ。ただし、ここには特徴がある。原作者が3つのすべての媒体に関わっているのだ。物語は彼女のものであり、映画がそれを映像化し、漫画が連載し、小説が散文の自由さでそれを展開する。
皇帝の命から生まれた物語
物語は、皇帝から壬氏への直接の命令で始まる。宦官としての役目を終えた彼は、今度は皇帝の弟として動かねばならない。任務は、5年前に後宮で亡くなった妃の最期の願いを叶えること。彼女は故郷に帰りたがっていた。
壬氏と猫猫は、亡き妃の遺体とともに南へ旅立つ。たどり着いたのは、市場と活気にあふれたにぎやかな水の都。猫猫はいつものように、見たことのない植物や薬に興味を引かれる。しかし、その街には深刻な問題があった。混乱を引き起こす河賊の存在だ。あらすじにはっきりとこうある。「何も起きなければいいのに」。もちろん、起きる。葬儀の日に事件が勃発し、旅ははるかに複雑なものになる。
公式あらすじには3つの要素が挙げられている。妃の遺体に隠された秘密、水の都に眠る財宝、そして物語の鍵を握る少年。作風は、シリーズおなじみの宮廷の雰囲気から離れている。カバーイラストでは、猫猫と壬氏が洞窟の中で松明に照らされ、背後には輝く財宝と火矢の飛び交う戦いが描かれている。宮廷よりも冒険の色が濃い。
書籍の仕様
小説の価格は税込946円。発行はImagica Infos、発売は主婦の友社。ISBNは978-4-07-464395-0。
巻末には特筆すべき特典がある。しのとうこによるオリジナルキャラクターデザイン画だ。しのは2014年から原作小説のイラストを担当しており、映画のキャラクターデザインも手がけている。本書には、各キャラクターに何を込めたのかを説明する彼女のコメントも収録されている。
初版には映画のメインビジュアルを使用した特別帯が付く。猫猫、壬氏、そして沐清という名の謎の少年が描かれている。イラストには洞窟、猫猫の松明に照らされた財宝、そして背景には火矢が空を横切る燃えさかる岸辺が描かれている。宮殿の回廊の抑制された優雅さとは大きく異なる世界だ。
フランチャイズの現在地を示す展開
『薬屋のひとりごと』 は全世界で累計5700万部を突破している。アニメ、漫画、小説が同時に動いている、現在最も盤石なフランチャイズの一つだ。今回の12月の3媒体同時展開は、日本の業界が成功した作品を単なる焼き直しではなく、どう活用するかを示す試金石となる。
この一手は他のフランチャイズとは異なる。映画公開後に便乗して出すノベライズではない。3つの商品が同時に発売され、共通の出発点を持つ。日向が映画のために書いた物語だ。小説は映画より2日早く発売される。漫画は小説と同じ日に始まる。完全な物語を知りたいなら、3つの媒体すべてに触れる必要がある。
あらすじはすでに、妃の葬儀が転換点になることを示唆している。そこから物語は複雑さを増していく。そして日向が文章を手がける以上、小説は映画では描き切れない部分をじっくりと展開してくれるはずだ。
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