子どもを叱らずにいられない理由を描くマンガ
『もう叱りたくない』の著者たちが、存在しない基準に沿って教育しようとする親や教師のプレッシャーについて語る。
叱る依存は家庭でも教室でも繰り返されるパターンで、今回さらに具体的なエピソードを加えたマンガ版が登場した。 『もう叱りたくないと思ったら読む本』 は、ベストセラー 『叱る依存が止まらない』 (臨床心理士・村中直人著)をもとに、マンガ家・イラストレーターのふくちまみが日常の場面を描き加えた作品だ。
2人は出版を記念するイベントで対談し、叱りたくなる衝動の背景にあるものについて語った。中心的なテーマのひとつは、子どもが食べない、寝ない、育児書のペースに沿わないときに大人が感じるプレッシャーだった。
平均的な赤ちゃんは存在しない
村中は、私たちが平均をあたかも普通であるかのように扱い、現実に「平均的な赤ちゃん」がいるかのように考えてしまうと指摘する。「そんな赤ちゃんはどこにもいません。すべての面で平均的な赤ちゃんというのは、むしろ非常に珍しい存在です」と説明した。
誰もが満たすべき平均値があるという考え方こそ、親や教師を追い詰める。子どもがその型から外れると、大人は何かがおかしいと感じる。そしてその違和感が、多くの場合叱ることにつながっていく。
ふくちは、母親や父親が子どもの行動を自分の価値と結びつけてしまう点に注目した。「子どもの一挙手一投足が、私への評価になってしまう。その境界のなさは、赤ちゃんの時期に特に強くなります」と話した。
食べることは戦いではない
イベントでは食事の問題も話題になった。村中は目標を変えることを提案する。子どもに食べさせることではなく、何を食べられるのか、どんな条件なら食べやすいのかを理解することだ。特定の色や食感を拒否する子、白い食べ物しか食べない子、食材を分けてほしい子もいる。
「この子が食べるためにどんなパターンを持っているのか、食べるものと食べないものをどんな基準で分けているのかを見る必要があります。それが見えてくると、合う食べ物を少しずつ足していけます」と助言した。大切なのは、しつこく勧める前に観察することだ。
マンガ『もう叱りたくない』の一場面。対談からは明確な考えが浮かび上がった。子どもと大人の間に境界線を引き、両者は別の人間であり、子どもの行動は誰の試験でもないと忘れることが、叱る依存を止める第一歩になり得るということだ。
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