
蟲師番外短編 地翔る影
完結蟲師番外短編 地翔る影
ギンコと淡幽が共に目撃した珍しい日食から七年の歳月が過ぎた。淡幽は医療を必要とする人々を助けるため、各地を巡り患者を探す日々を続けている。海辺の家を訪れた際、医師は地面を滑るように移動する鳥の形をした影に気づく。その光景は、なぜか奇妙に見覚えのあるものだった。
その影を見たことで、淡幽は過去にギンコから聞いた、同じ形をとる蟲の話を思い出す。その物語の詳細をたどりながら、淡幽は自分が見たものが単なる光の加減以上のものではないかと考え始める。その存在が蟲と関係している可能性に、好奇心と警戒心が入り混じった感情が湧き上がる。見た目が真実とは限らないことを、彼は知っているからだ。
起こったことを理解しようとする中で、淡幽は希望と偽りの幻影の間にある繊細な境界線に向き合うことになる。そして、求める答えが必ずしも期待するものではないことを知るのだった。
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1999
2013