
風の王
完結風の王
パイプオルガンの音が包み込む村で、人々は穏やかな日々を送っていた。毎晩、楽器の音色は村を取り巻く風のささやきと混ざり合い、住人たちを眠りへと誘う子守唄のような旋律を紡ぎ出す。道端の工房では、一人の老人がオルガンを調律しながら、村のために子守唄を作り続けている。
しかし、子どもたちはその安らぎを共有していない。彼らにとって、その音色は風の王の声であり、王が村を守るために発する戦いの雄叫びにほかならない。大人たちにとってはただの旋律でも、幼い者たちには、この地の平穏を打ち砕こうとする争いの前触れとして響いているのだった。
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