
トンネル奇譚
完結トンネル奇譚
現実と悪夢の境界を探る、五編からなる短編ホラー集。『長い夢』では、自分の夢が何年も続いていると信じて入院してきた患者と、その時間感覚の歪みに不安を募らせていく医師の姿を描く。他にも、恐ろしい秘密を隠したトンネル、命を宿す銅像、幻覚を引き起こす浮遊する胞子、暗い儀式が残る村を題材にした物語が収録されている。
伊藤潤二が手がけた各作品は、日常が徐々に不気味なものへと歪んでいく圧迫感のある雰囲気へ読者を引き込む。主人公たちは論理も正気も通用しない不可解な現象に直面し、恐怖は少しずつ、しかし確実に広がっていく。
心理的恐怖と超常的要素を組み合わせた本作は、最後まで緊張感を持続させる傑作短編集である。
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