
黎明のアルカナ
完結黎明のアルカナ
セナンの王女ナカバは、敵国ベルクートの王子シーザーとの政略結婚を強いられる。それは彼女を単なる人質同然の立場に追いやるものだった。自国では赤い髪を理由に疎まれ、宮廷では犬耳を持つ亜人ロキだけを連れての輿入れとなる。ロキもまた、宮中で軽蔑の目にさらされていた。
夫であるシーザーは傲慢で支配的であり、ナカバは自分の所有物だと露骨に示す。しかし、ある時血に触れたことをきっかけに、彼女の中で「時のアルカナ」が目覚める。それは過去と未来を見通す力だった。
やがてナカバは、シーザーの死を予知してしまう。彼女は不可能な選択を迫られる。自分を蔑む男の命を救うのか、それとも運命のままに任せるのか。未来を変えることには代償が伴い、救われた命の分だけ、別の犠牲が必要になるのだから。
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