
本なら売るほど
連載中本なら売るほど
十方堂は、文学をこよなく愛する若者が営む小さな古書店である。店の棚には今日も、長年本を愛してきた者から、読書を通じて大人への一歩を踏み出そうとする女子高生、亡き夫の蔵書を手放さねばならない未亡人、何冊かの本を処分したいと考える男まで、実にさまざまな客が訪れる。
それぞれの事情、店に持ち込まれ、あるいは店から旅立つ一冊一冊が、店主にとっては、たとえ数分でも客の記憶や人生に触れる機会となる。静かなこの空間で、売り買いは単なる商取引を超え、一冊の本のページを通して人と人とのささやかだが確かなつながりを紡いでいく。
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2022
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