
花物語
完結花物語
神原は、怪我で引退を余儀なくされるまで、高校バスケットボール界のスター選手だった。最後の学年を迎えた今、先輩たちは卒業してしまい、孤独と物憂さを抱えている。身近で怪異について確かな知識を持つのは、後輩で民俗学者の親族でもある斧乃木余接だけだった。
その孤独に加えて、彼女には恐怖があった。猿の手に願ったことで左腕に宿った悪魔が、眠っている間に再び目覚めるかもしれないのだ。じっとしているのが怖くて、神原はある噂を調べ始める。やがてその噂が自分自身を指しているのではないかと恐れるようになり、やがて「ルーカ」と呼ばれる否定的な感情の深淵を覗き込むことになる。
全国大会でダンクを決められる少女だけが抜け出せるという井戸に囚われた元選手は、コートで自分を定義していた攻撃性をまだ持ち続けているのかと自問する。
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