イスラエル人カップル、漫画への愛から鳥取の神社で結婚式
新郎は『ドラゴンボール』とともに育ち、日本での神前式を希望した。観光業界が「インバウンド挙式」と呼ぶ市場だ。
ギル・ハソンさん(34)とニヴ・ヨハノクさん(33)は9月16日、鳥取県大山の名和神社で結婚式を挙げた。式はヘブライ語で執り行われ、日本海を望む形だった。これは珍しい例ではない。企画したバリューマネジメントは、この種のセレモニーを日本の観光にとって安定したビジネスに育てたい考えだ。
2人はテルアビブで出会ったが、ヨハノクさんはイスラエルで結婚する気はなかった。 毎日新聞に語ったところによると、ユダヤ式の結婚式には女性を貶めるように感じる儀式があり、2人の生き方に合わなかったという。代わりの案はInstagramから見つかった。日本で結婚式を挙げた別のイスラエル人カップルをそこで知ったのだ。
ヨハノクさんは漫画を読み、アニメを見て育ち、 『ドラゴンボール』 は幼い頃からのよりどころだった。ハソンさんにも日本とのつながりがあった。日本を訪れたことのある祖母の話を通じてだ。昨年2人で日本を旅行し、結婚式のことを考えたとき、日本で挙げたいという点で意見が一致した。両親も異論なく受け入れた。
だしのスープとサプライズの手紙を添えた少人数の式
神社での儀式の後、新郎新婦は築120年の古民家を利用した料亭で2人きりの食事をとった。和の要素を取り入れたフランス料理のコースは、だしのスープから始まった。その後、イスラエルにいる家族や友人からのメッセージを集めたサプライズ動画が流れた。ハソンさんは、つらいときに支え合うよう伝える母親の声を聞いて涙を流した。
式と披露宴を手がけたのは、大山のウェディング施設「プリムローズガーデン」。通訳の助けを借りながら、スタッフは2人の要望を聞き取り、餅つきや抹茶の茶道といった日本らしい体験を組み込んだ。
2人は自分たちの誓いの言葉を英語からヘブライ語に翻訳し、声に出して読んだ。説明によると、その作業によって言葉の意味をより深く理解できたという。「私たちの文化と日本の文化の融合だと感じました。ほかの何よりも特別なことです」と一方は話した。
「インバウンド挙式には地方経済を救う可能性がある」
日本の観光業界は購買力の高い外国人カップルを求める
プリムローズガーデンを運営する大阪のバリューマネジメントは、こうしたセレモニーを「インバウンド挙式」と定義する。居住国とは別の国へ移動して行う結婚式のことだ。同社によると、世界規模で拡大している分野で、特に購買力の高い顧客の間で伸びている。
観光庁は高付加価値旅行者の誘致を戦略の柱の一つに位置づけている。この種の結婚式は、通常の旅行よりも大きな経済効果を生むため、その方針に合致する。家族や友人と一緒に訪れれば、長期の団体旅行になるからだ。
人口動態がその背景を説明する。日本の婚姻件数は半世紀で半分以下に減った。1972年の109万9000組から2025年には48万9000組だ。国内の婚礼市場も最盛期と比べて半分に縮小した。海外の需要を取り込むことは、業界によれば、日本の婚礼文化や関連する職人の技が客不足で消えないための手段になる。
日本は観光地として確立しているが、そこで結婚式を挙げられることを知る人は少ない。ハワイやバリ、プーケットと比べると存在感は弱い。韓国はすでにこの事業を国家政策として扱っているが、日本は初期段階にある。バリューマネジメントの笠祥太郎執行役員(47)はこうまとめる。「インバウンド挙式には地方経済を救う可能性がある」
笠氏は、将来外国資本が日本市場を独占するリスクがあるとも付け加える。それを避けるため、官民の連携枠組みを提唱する。今のところ、この事業はハソンさんとヨハノクさんのような事例に支えられている。2人は幼い頃の趣味を結婚式の舞台に変えた。
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