
海帰線
完結海帰線
八代家は代々、人魚との約束を守ってきた。六十年に一度、卵を授かり、網出村の社で大切に保管し、成熟したら海へ還す。その代わりに、海の生き物たちは村に豊かな漁と穏やかな海を約束する。
末息子の洋介は、人魚の存在をずっと疑ってきた。しかし、宮司である父が開発業者やメディアの圧力に屈し、卵を観光の目玉にしてしまったことで、その懐疑心は揺らぎ始める。伝統は危機にさらされる。
やがて村では奇妙な現象が起こり始め、洋介は決断を迫られる。家に伝わる約束はただの言い伝えなのか、それとも、まだ破ることのできる約束なのか。
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