
ガラス玉
完結ガラス玉
岡田史子による全11編の短編集で、デビュー作「ガラス玉」を収録。日常の何気ない場面と超常的な出来事が交差する中で、人間の心に潜む暗い領域を一つひとつ静かに照らし出す。登場人物たちは、逃れがたい執着や深い孤独、そして自らの内面や身体に起きる不気味な変化と向き合うことになる。現実そのものを歪めてしまう謎めいたガラス玉、骸骨とともに暮らす少年、決して叶うことのない恋、夢と現の境が溶けていく幻想的な風景など、モチーフは多彩である。心理描写と幻想性が緻密に重なり合い、全体を異様でありながらも切ない哀愁の漂う空気が包み込む。読み進めるほどに、平凡な日常のすぐ隣にある不穏な気配と、そこに生きる人々の脆さが浮かび上がってくる短編集である。
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1968
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