屑の市
完結屑の市
献血ルームの前で、男たちが順番を待っている。今日の食い扶持を得るために血を売りながら、彼らはそれぞれの身の上話を交わす。東京の貧民街では、貧しさと生き延びるための闘いが日々の刻を刻み、その暮らしは悲惨さと連帯のあいだで揺れ動いている。
『屑の市』は、第二次世界大戦後の日本社会の現実を描いた六つの短編を収録している。表題作「屑の市」と「やさしく夜は更けて」は、場末で生きる無頼漢たちや、戦争を忘れられない復員兵たちの世界を描き、「昭和の歌」は占領下の貧しい長屋で育った日々をつづる自伝的作品である。そこには虐待する祖父や病身の父がいたが、同時に近所の人々との喜びもあった。
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1978
2018
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