
症年症女
完結症年症女
十一歳の少年は、誰も突出することのない世界を軽蔑し、自分を特別にする何かを持たないことに苦しんでいた。ある日、彼は周囲の人々の顔や名前、あらゆる個人情報が見えなくなっていることに気づく。まるで黒いマジックで塗りつぶされたかのように。やがて彼は、十二歳を迎える前に命を奪う不治の病と診断される。
しかし少年は恐れるどころか、喜びに震えた。ついに自分だけの特徴を手に入れ、しかも自分の名を冠する病の最初の犠牲者になれるのだから。ところが、その高揚は長くは続かない。同じ病を患い、余命がさらに短い少女が現れたのだ。
歴史に名を残すのは彼女かもしれない。そう恐れた少年は、病が彼女を殺す前に、自分の手で彼女を殺すことを決意する。
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