
ファイアパンチ
完結ファイアパンチ
世界は凍りついた。氷の魔女が地球を永遠の冬に閉ざし、人類は寒さと飢えと絶望のなかで細々と生き延びていた。過酷な世界の片隅で、孤児の兄妹アグニとルナは特別な力を持っていた。傷ついても再生する能力だ。二人は村の老人たちとともに静かな暮らしを守ろうとし、すべてを蝕む寒さに耐えるため、互いを支えに生きていた。\n\nその脆い平和は、軍の指揮官ドマが村を訪れ、すべてを焼き尽くしたことで打ち砕かれる。ドマの放つ炎は対象を完全に破壊するまで消えることがなく、アグニは再生能力によって命を取り留めたものの、その体は燃え続けることになった。絶え間ない痛みに苛まれながら、アグニは自分を焼き尽くす炎に耐える術を何年もかけて身につけていく。\n\n再び動けるようになったとき、アグニの心に残っていた目的はただひとつ。ドマを見つけ出し、妹の死の復讐を果たすこと。生ける炎と化したアグニは、凍てついた荒野を進み始める。その歩みの先で、人間性と復讐の境界は少しずつ曖昧になっていく。
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