
讃歌
完結讃歌
近代文明が崩壊した世界で、ひとりの女子高生がかつて高度な社会だった廃墟の中で暮らしている。孤独で静かな日々を、失われた過去の残骸に囲まれながら過ごし、もう二度と元には戻らない風景を見つめている。荒涼としたその光景の中、「新人類」と呼ばれる存在が、彼女の現実に一層の謎を投げかける。
主人公はしかし、自分の置かれた状況に苦しんでいる様子はない。むしろその態度は、静寂の中にひとつの安らぎを見いだしたかのような、穏やかな諦観を映し出している。だがその平穏は、性質も目的も定かではない新たな存在によって揺らがされる。ささやかな出会いと日常の観察を通して、孤独やアイデンティティ、人間とその先に来るものとの関係が描かれていく。
内省的でメランコリックな空気をまとったこの短編は、知っていたすべてが消えたあと、なお歩みを進めることの意味を静かに問いかける。答えのない問いを前に、少女は世界がそれでもなお回り続ける中で向き合っていく。
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2022
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