
遥かな町へ
完結遥かな町へ
中原宏は48歳の会社員。出張帰りに電車を乗り間違えたことから、故郷の倉吉に降り立つ。少年時代を過ごした町並みを歩き、母の墓を訪ねたとき、何かが起こる。気がつくと、彼は14歳の中学二年生の自分に戻っていた。大人としての記憶と視点はそのままに。
1964年。元の時代へ戻る術もわからぬまま、宏は妻子ある男の意識を抱えて青春期をやり直す。やがて彼は気づく。この二度目の人生は、自分の歩みを別の目で見つめ直す機会なのだと。とりわけ、家族を置いて理由も告げずに去った父の失踪という、人生を大きく変えた出来事を。
父はなぜ出て行ったのか。過去に干渉して変えるべきか、それともただ理解するにとどめるべきか。葛藤を抱えながら、宏は元の時代へ戻る手がかりを探し続ける。
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