
不能犯
完結不能犯
黒い服に赤い目をした男、宇相吹正(うそぶき・ただし)に関する都市伝説がある。誰かを消してほしいと願うなら、特定の公衆電話にメッセージを残せばいい。宇相吹は現れ、依頼を引き受け、金も取らず、物理的な痕跡も残さずにその願いを実行するという。
彼の手法は異様で不気味だ。直接手を下すことはせず、暗示の力で被害者を催眠状態に導いて自殺させたり、出来事を巧みに操って致命的な結果へと追い込んだりする。人間の愚かさを嘲笑うような笑みを浮かべて眺める彼にとって、本当の報酬とは、自らの介入によって依頼者たちにもたらされる悲惨さと思いがけない結末を目撃する快楽にほかならない。
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