ゴジラ、鉄腕アトム、攻殻機動隊が香港の展覧会で集結
M+ミュージアムは今週土曜、浮世絵からアニメまで200年にわたるアジアの幻想表現をたどる400点超の展示を開幕する。
香港のM+ミュージアムは2026年10月17日(土)、 「神話と怪物:アジアの幻想領域」を開幕する。現代アート、建築、ファッション、ビデオゲーム、映画から400点超を集めた展覧会だ。19世紀から現在まで、幻想表現がアジアの視覚文化をどう形づくってきたかをたどる大規模な展示はこれが初めてとなる。
本展は現実逃避の領域にとどまらない。M+の主張は、アジアの作家たちが超自然的なもの、魔術的なもの、未来的なものを用いて、戦争、社会危機、アイデンティティ、テクノロジーという自らの現実に向き合ってきたというものだ。仏教の巻物や幻想的な風景画からアニメの架空世界に至る作品群がそれを示している。
「神話と怪物:アジアの幻想領域」展会場のM+ギャラリー。ゴジラと戦士の壁画が並ぶ。浮世絵からマンガブームまで
展示は4部構成。第1部は東アジアの民間伝承や精神的物語に根ざした幻想表現に焦点を当てる。浮世絵、中国の影絵人形、チベット仏教のタンカ、祭祀具などが並ぶ。これらの図像が加護や繁栄、平和を願うために用いられてきたことを示す作品群だ。
第2部は戦間期ヨーロッパとシュルレアリスムへ跳ぶ。パリに暮らしたパン・シュンキンや岡本太郎といったアジアの作家たちは、不条理と非論理の表現を吸収し、戦争のトラウマを消化していった。帰国後、それを自国の伝統と融合させている。中国、日本、韓国、ミャンマー、フィリピン、タイの作家の作品が含まれる。
第3部はアニメやマンガのファンに最も響くセクションだ。ここでは 手塚治虫の『鉄腕アトム』 (1952年連載開始)と、世界的現象となった 『ゴジラ』 (1954年)が並ぶ。 『カードキャプターさくら』 (2016〜2023年)のスケッチや、アニメーションにおけるサイバーパンクを再定義した押井守監督作品 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 (1995年)の背景原画も展示される。
ゴジラ、鉄腕アトム、攻殻機動隊に関連するコミックやアートが並ぶ展示スペース。現在:幻想が日常になるとき
最終セクションはグローバル化した現在に目を向ける。視覚芸術、デザイン、建築、デジタルイメージの作家たちがアニメやマンガの文化と対話する。作品は移り変わるアイデンティティ、テクノロジーへの不安、新たな神話を扱う。M+の館長スハーニャ・ラフェルはこうまとめる。「この展覧会は、アジアの創造が世界の文化史に果たした貢献について新たな視点を提供します」
そして、いま強く響く点を付け加える。人工知能、バーチャルアバター、シネマティック・ユニバースが至るところにある時代に、その想像力がどこから来たのかを説明するために本展は開かれる。M+がこのタイミングでの開幕を選んだのは偶然ではない。
映画、トーク、書籍も
展示はギャラリー内にとどまらない。開幕当日には日本とオーストラリアから作家とキュレーターを招いたトークが行われ、広島の湯本豪一記念日本妖怪博物館の館長も参加する。超自然的なものが宗教、民間伝承、ポップカルチャーの間をどう移動するかを語り合う。
M+の映画部門も押井守特集で加わる。上映作品は 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 (1995年)と 『イノセンス』 (2004年)で、上映後にはトークも予定されている。冬にはモンスター映画8本が上映され、 ポン・ジュノ監督の『グエムル -漢江の怪物-』 (2006年)や ギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』 が含まれる。
さらに2027年1月から3月にかけて、子どもたちがこうした幻想世界を探求できるファミリーデーが6回開催される。より深く知りたい人のために、ミュージアムはテムズ&ハドソン社から書籍 『Myths, Monsters and Manga: The Fantastic Realms of Asia』を刊行する。200点以上の図版と、アジアの幻想表現が世界に与えた影響についての論考を収録している。
ゴジラの古典映画ポスターやアジアの幻想芸術のキャラクターが並ぶ展示室。本展は香港のM+で開催される。現地に行くなら、ゴジラ、鉄腕アトム、草薙素子を同じ空間で見られる機会だ。
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