中国の漫画家チェン・レイ、『三国志演義』を一枚の図で解説
「混子哥」の名で知られる作者が上海のイベントで、古典を新しい読者に届ける方法を語った。
チェン・レイは、「混子哥」のペンネームで活動する中国の漫画家だ。読書をテーマにしたトークを、視覚的な歴史講座に変えてみせた。上海の百聯西郊ショッピングセンターで開かれた「悦読長寧:漫画で巡る知識の旅」で、作者は三国志演義の中心的な筋書きを、いくつもの水の泡を描きながら説明した。
図はシンプルだった。ひとつの完全な泡が統一王朝を表す。董卓の反乱の後、その泡は粉々に割れ、破片のひとつひとつが群雄となる。破片同士の争いから魏・蜀・呉の三国が生まれ、互いに対峙する。これだけでチェン・レイは、統一から分裂、そして新たな均衡へと至る流れを要約してみせた。
作者にとって、そうした歴史の論理を理解することは、断片的な逸話を暗記するより価値がある。「小説を全部読んで、ばらばらの事実だけが残っても意味がない」と、聴衆の前で語った。彼の手法が目指すのは、読者が物語の深い構造をつかむことであり、名前や合戦だけではない。
古典を読む順番のすすめ
チェン・レイは、保護者や若い読者から繰り返し寄せられる質問にも答えた。中国文学の四大奇書はどこから読み始めればいいのか。彼の答えは明快だった。
- 西遊記:いちばん入りやすく、楽しい物語で全年齢に向く。
- 水滸伝:登場人物は多いが、筋は追いやすい。
- 三国志演義:十分に楽しむにはある程度の歴史の知識が要る。
- 紅楼夢:いちばん複雑で、人生や社会への考察に満ちている。
この順番はでたらめではない。読者としての成熟度と事前知識に沿って進む。チェン・レイは、年齢だけが唯一の要素ではないと強調した。経験やそれまでの読書もまた重要なのだ。
教育ツールとしての漫画を擁護
トークのなかで作者は、古典を漫画で説明すると重みが失われるのではないかという疑問にも答えた。彼の立場は率直だった。厳かさは形式ではなく、その背後にある思考で決まる。「ほかの本とは違う本をどうやって作るか、いまも考え続けている」と打ち明けた。
チェン・レイは自身の歩みも語った。かつては出来の悪い生徒だったが、いまは知識を広める側にいる。会場にいた子どもたちへのメッセージは、愚かな子などいない、自分に合った学び方にまだ出会っていない子がいるだけだ、というものだった。いろいろな興味を育て、たくさん読み、得意でない分野にも近づくことを勧めた。ビデオゲームや映画、漫才も、世界を観察し学ぶための有効な手段として挙げた。
イベントは、5日間のマーケットと5つの講演を備えたブックフェアの一環だった。混子シリーズの本に加え、科学読み物や歴史書も並んだ。来場者はショッピングセンターのアトリウムで、文房具や文化グッズの売り場のあいだでそれらを手に取ることができた。
チェン・レイのチームは子ども向けの漫画ワークショップも開いた。参加者はアルキメデスの浮力の原理、中国陶磁器の変遷、軍船、宇宙技術について学んだ。潜水艦や陶器片、アルミホイルの船、飛行機の模型を使った実験にも取り組んだ。
この取り組みは、本を従来の流通経路から出し、日常の空間へ届けることを目指している。ショッピングセンターを読書の場にするのは珍しいが、上海ではうまくいった。家族連れが買い物の合間に足を止めて読み、その場所は都市の図書館のような空気を帯びた。
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