元らくがきとワンルーム暮らし
完結元らくがきとワンルーム暮らし
永田カビはなんとか日々をやり過ごしてきたが、新しい家での孤独は想像以上に重くのしかかっていた。ある日、古い落書きが突然アパートに現れる。それが現実のものではないと知りながらも、彼女はその存在を受け入れることにする。あんこと名付け、家事から夜の食事まで、日々の小さな習慣を共に過ごすようになる。
現実と想像のあわいで、カビはこの予期せぬ存在に、自分でも気づかなかった慰めを見いだしていく。しかし、これは孤独を紛らわすための手段にすぎないのか、それともこの訪問の裏には何か別のものがあるのか。日々を重ねる中で、カビはたとえそれが自分の心が生み出したものだとわかっていても、共有する穏やかな時間にすがりついていく。