
寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。
完結寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。
楠木は二十歳。自分の人生がどこにも向かっていないと感じていた。やる気も夢も金もなく、食べるために最後の持ち物を安く売り払う日々。そんなある日、店主から「寿命や時間、健康を買い取ってくれる場所がある」と聞かされる。半信半疑ながらも、絶望に押されるようにしてその住所へ足を運んだ。
そこで知ったのは、自分の人生全体の価値がわずか三十万円にしかならないという事実だった。彼は一年につき一万円で、これから三十年分を売り、残り三か月の命だけを手元に残すことを決める。家に戻ると、思いがけない来客が待っていた。寿命を買い取った店員・宮城が、最後の三日まで彼を観察する任務を負って現れたのだ。
残された三か月、楠木は宮城と共に過ごしながら、過去から引きずる後悔と向き合い、人生を価値あるものにするのは何かを自問し続ける。刑罰のように思えた時間は、やがて奇妙で決定的なものへと変わり、二人は単なる監視を超えた何かを共有し始める。
もし気に入ったら、こちらもどうぞ
この作品とジャンルを共有する作品。