
歩くひと
完結歩くひと
都会の日本を、ひとりの男が当てもなく歩く。急ぐでもなく、決まった行き先もない。鳥を眺めるために立ち止まり、木に登って子供のおもちゃを取るために靴を脱ぎ、嵐のあとの水たまりをぱちゃぱちゃと歩き、海辺に降りて貝殻を元の場所に返す。
静かで孤独なことの多い散歩のなかで、歩く人は日常が見落としがちな小さなしぐさに身をゆだねる。ひとつひとつの道のりが、時間が止まったようなひとときとなり、ありふれた景色が思いがけない美しさを見せる。
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