『GANTZ』の奥浩哉が漫画家引退を発表、38年のキャリアに幕
現在連載中の『還暦姫』を最後に、連載終了と同時に筆を置くことを明言した。
奥浩哉が漫画をやめる。 『GANTZ』 の作者は10月12日、自身のXアカウントで、現在小学館の 『還暦姫』を連載している雑誌 『ビッグコミックスペリオール』 での連載を終えたら引退すると発表した。「もう十分描いた」と投稿している。
この発言は初めてではない。2月に 『還暦姫』の単行本第1巻を宣伝していた際にも、60歳が近づいており、この作品がおそらく最後になるだろうと予告していた。5月にも同じことを繰り返し、今回ついに完全に明言した形だ。
8月の日本メディアのインタビューで奥は、アイデアはまだあるものの、物語を考え、描き、連載を維持するという全工程に、自分にはもうないエネルギーが必要だと説明していた。59歳になり、約40年のキャリアを経て、ペースを保つのが難しくなっているという。
『還暦姫』とは
連載は2025年末に開始。60歳前後のオタク6人がルームシェアをする物語だ。そのうちの1人がNEOTYPE-16と呼ばれる謎の薬を購入したことで物語は一変する。その薬は服用した者の体を女性化させる。主人公の1人は若い女性の姿になってしまい、それがグループの共同生活を揺るがす。
作風は 『GANTZ』とはまったく異なる。エイリアンもデスゲームもなく、奥はアイデンティティ、年齢、人間関係を題材にしている。本人はアシスタントチームとともに、そうしたキャラクターに自身を重ねたと語っており、これまでの作品群とは一線を画す個人的な要素を持つ作品となっている。
今のところ単行本は2巻まで刊行されている。あと何巻続くのか、いつ最終回を迎えるのかは不明だ。
『変』から『GANTZ』まで、38年のキャリア
奥のデビューは1988年、 『変』 が集英社の 『週刊ヤングジャンプ』 の若手向け賞で最終候補に残ったことがきっかけだった。大きな飛躍となったのは2000年に始まった 『GANTZ』で、SF、暴力、死後に部屋へ集められた人物たちによるサバイバルゲームを融合させた作品だ。同世代の青年漫画を代表するタイトルのひとつとなった。
その後 『GANTZ』 の後には 『いぬやしき』 と 『GIGANT』が続き、SF的な設定、限界状況に置かれたキャラクター、社会に対するかなり暗い視点という作風を維持した。 『還暦姫』 は彼の引退作であり、これまでの作品とは似ても似つかない。
この発表でひとつ不確定なのは、 『還暦姫』 が長引けば、奥の引退が実際に効力を発するまでにはまだ時間がかかるかもしれないということだ。今のところ確かなのはひとつだけ。この連載が終わったら、作者はペンを置くということだ。
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