ミステリー漫画の先駆者・わたなべまさこさん死去、97歳
『ガラスの城』の作者は、旭日小綬章を受章した初の女性漫画家だった
漫画家のわたなべまさこさんが10月3日午前0時38分、97歳で死去した。訃報は10日後、自身の公式Xアカウントで「わたなべまさこ先生 ご逝去のお知らせ」と題したメッセージによって伝えられた。
発表文には、97年の人生を漫画とともに歩み、眠るように穏やかな最期だったと記されている。死因は明らかにされていない。
わたなべさんは70年以上に及ぶキャリアを残した。1929年生まれで、1952年に少女漫画家としてデビュー。愛憎を絡めたミステリーを得意とし、その作風は 『悪女シリーズ』 や 『ひとり祭』といった作品で培われた。後者はテレビドラマ化もされている。
代表作には 『ガラスの城』 (El castillo de cristal)や 『聖ロザリンド』 (Santa Rosalinda)がある。20世紀後半の女性向けサスペンス漫画において欠かせない存在となったのは、まさにこの2作品によってだった。
漫画の内外で認められた歩み
公的な評価は遅れてやってきたが、その力は大きかった。2002年、第31回日本漫画家協会賞で文部科学大臣賞を受賞。
その4年後の2006年には、旭日小綬章を受章した初の女性漫画家となった。この事実は、彼女が業界で占めていた位置をよく示している。人気作家としてだけでなく、後の世代に道を開いた存在として。
創作への意欲は年齢とともに衰えることはなかった。2020年、91歳でまったくの新作 『秘密 -ひめごと-』の週刊連載を開始した。この発表は大きな反響を呼んだ。同世代の作家で、これほどのペースで連載を続ける者はほとんどいなかった。
感謝にあふれた別れの言葉
訃報とともに、わたなべさんが亡くなる前に書き残したメッセージが公開された。ファン、同業者や協力者、身の回りの世話をしてくれた人々、イリーゼの施設スタッフ、看護師、家族への感謝が綴られている。「本当に本当にありがとうございました」とその文は結ばれている。
彼女の人柄を表す一文がある。「悲しくなったら、パリにいる私を思い出してください」。激しい情熱と劇的な展開の物語を語ることに人生を捧げた作家にふさわしい別れの言葉だ。
公式Xアカウントを管理するチームは、残された原画や未発表作品を今後も紹介していくと予告した。没後の出版について日付や詳細は示されていないが、その意図は明確だ。彼女の創作世界を読者に届け続けること。
わたなべまさこさんの死により、日本漫画の重要な一章が閉じられた。その遺産がどう管理され、代表作を新しい世代に向けて復刊する出版社が現れるかは、これから見えてくる。
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