
てのひらのにわ
完結てのひらのにわ
一人の少女が、トイレットペーパーの芯を通して周囲の世界を眺めている。それは日常を発見の舞台に変える子供の遊びであり、彼女の好奇心に満ちた視線の下で、あらゆる物、人、音が新たな意味を帯びていく。見慣れたものが、奇妙で不思議なものへと姿を変えるのだ。限られた視野でありながら想像力にあふれたこの探索の体験は、記憶と知覚についての思索の出発点となる。
並行して、日本の文字が命を宿した孤独な語り手である落語家が、伝統的な「鸚鵡」の噺を披露する。繊細な表情と仕草に満ちたその語りは、少女のまなざしと絡み合い、世界を見つめ記憶する二つの方法の対話を生み出す。無垢な視点と芸術的な視点が融合し、記憶がいかに現実と幻想の断片から築かれるのか、そして幼年期と芸術が、単純なものを深遠なものへ変える力をいかに共有しているのかを探求する。