
四月は君の嘘
完結四月は君の嘘
有馬公生は、あらゆるコンクールを制してきたピアノの天才であり、その正確さと完璧さから「人間メトロノーム」と呼ばれていた。母であり指導者でもあった人物の突然の死をきっかけに、公生は演奏中に精神的な崩壊を起こし、自分のピアノの音が聞こえなくなってしまう。それから2年、公生は音楽から離れ、幼なじみの椿や渡とともに、色のない単調な日々を送っていた。
すべては、自由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをりとの出会いから変わり始める。彼女の演奏スタイルは、その外向的な性格をそのまま映し出していた。かをりは公生を伴奏者として舞台へ引き戻し、音楽を自由で型破りなものとして再発見させていく。それは、公生が知っていた厳格な枠組みからはかけ離れたものだった。
ひとつの小さな嘘を通して、二人の若い音楽家は次第に距離を縮めていく。かをりは、公生の灰色の世界を色で満たそうと懸命だった。
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