思い出は奇麗で
完結思い出は奇麗で
父親は家族のアルバムを眺めながら、幼い頃から娘と共に過ごしてきたかけがえのない瞬間を思い返す。写真には日常のひとコマが収められている。おぼつかない初めての足取り、公園で遊んだ午後、家族で囲んだ食卓、眠る前の会話。どの思い出も、時が止まることなく過ぎていくからこそ、ほろ苦い温もりを帯びている。
娘が成長し、十代になるにつれて、二人の間の距離はよりはっきりと感じられるようになる。父親は、娘が喜びや沈黙を抱えながら自分の道を切り拓いていく様子を見守りつつ、その旅立ちを見送る寂しさと向き合う。二人を結ぶ絆は形を変えていくが、愛情は変わらずそこにあり、最も美しい思い出とは、変化の中でも生き続けるものであることを示している。
