
今村商店
完結今村商店
ある老女が、今村商店という小さな店を営んでいる。日本のある村にあるこの店は、六十年前に今村家へ嫁いで以来、彼女の人生そのものとなってきた。以来、彼女はたった一人で店を守り続け、日々をかけがえのない「今」として向き合ってきた。
店に流れる静かな時間のなかで、老女は季節の移ろいと、周囲の変化を見つめている。顔なじみの客との何気ないやりとりや、変わらぬ日課を繰り返しながら、彼女の暮らしは過去の記憶と現在を受け入れることの、繊細な均衡の上に成り立っている。
やがて村も、そこに暮らす人々も、彼女を囲むすべてがゆっくりと姿を変えていく。