
冬の蝉
完結冬の蝉
幕末から明治初期にかけての動乱の時代、徳川家に仕える秋月景一郎と長州藩士の草加十馬は、政治的対立の両側に身を置いていた。景一郎が十馬を官憲から逃がしたことをきっかけに、時代の忠誠心を超えた絆が芽生える。
両者の藩の間の緊張が高まる中、二人は英語を学ぶために密かに会い始める。人目を忍ぶ逢瀬の中で、深い恋愛が育まれていく。しかし、迫り来る戦争が二人を引き裂こうとし、家族への義務と歴史の流れの中で、その愛は試練にさらされる。
自分らしく生きることを許されない世界に囚われながら、景一郎と十馬は共に生きる未来を求めて抗う。しかし、責務と家柄の重みが、脆い幸福に迫りくる。