
サイダーのように言葉が湧き上がる
完結サイダーのように言葉が湧き上がる
チェリーは、インターネットに投稿している俳句でしか自分をうまく表現できない内気な少年。誰にも注目されないまま、夏の間は老人ホームでアルバイトをしながら、八月に迫った家族の引っ越しを待っている。そこで出会ったのは、出っ歯の矯正器具を隠すためにいつもマスクを着けている少女、スマイル。彼女はみんなを笑顔にできるインフルエンサーになることを夢見ていた。
偶然の出会いをきっかけに、二人は老人ホームで一緒に働くようになり、記憶が薄れ始めている俳句の師匠、藤山さんが必死に探している古いレコードを見つける手伝いをすることになる。手がかりはレコードのジャケットと「やまざくら」という言葉だけ。チェリーとスマイルは、想像以上に二人の距離を縮めていく探し物に乗り出す。南風が夏を運び、二人の間に思いが芽生えていく中で。
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