
ブルーピリオド
完結ブルーピリオド
矢口八虎は模範的な高校生だ。成績は優秀で友人関係も良好、整然とした波風の立たない日常を送っている。しかし心の奥底では、何かが欠けていると感じていた。ある日、鮮やかに広がる渋谷のパノラマを目にした瞬間、未知の感情に突き動かされ、筆を手に取り、見たものをキャンバスに描き出す。初めて描いた絵に対してかけられた励ましの言葉が、彼の中に思いがけない絵画への情熱を灯す。
その新たな道を進むことを決意した八虎は、ほとんど不可能とも言える目標を掲げる。それは、二百人に一人しか合格できない東京藝術大学への入学だった。その夢を叶えるためには、普段の学業と美術の対策を両立させ、自分よりはるかに才能と経験のある仲間たちと向き合い、家族の無理解にも耐えなければならない。彼の旅はまだ始まったばかりであり、夢を追う代償は想像以上に大きいかもしれない。