東村アキコが女性の岐路をめぐる新エッセイを刊行
『東京タラレバ娘』の作者が、長年集めてきた実話をもとにした『女おいわけ』を11月26日に発売する。
東村アキコに新刊が出る。 『東京タラレバ娘』 や 『かくかくしかじか』 で知られる漫画家が、11月26日にエッセイ 『女おいわけ 東村アキコの人間観察日記』を刊行する。版元は新潮社で、価格は税込1,760円。
いわゆる普通の漫画ではないが、このために描き下ろした漫画も収録されている。観察をまとめたエッセイであり、東村が作品の素材として長年ため込んできた話の集大成だ。そしてこの人は、現実の人生を、共感のあまり痛くなるようなコマに変えることにかけては天下一品である。
本の切り口はシンプルで的確だ。女性の人生は分かれ道だらけである。結婚するか独身でいるか。元彼とよりを戻すか、新しい相手に賭けるか。おごるかおごられるか。そして結婚したらしたで、仕事と子どものどちらを取るか選ばなければならない。
東村は理屈で語る人ではない。20年以上にわたり、自分の望みと周囲の期待の間で板挟みになる女性たちを描き続けてきた。 『東京タラレバ娘』 では、別の選択をしていたらどうなっていたかを妄想する30代女性3人を描いた。 『かくかくしかじか』 では自らをさらけ出し、美術の道を志した日々と、才能はあるが耐えがたい教師との関係を綴った。同作は累計170万部を突破し、マンガ大賞と文化庁メディア芸術祭大賞を受賞。2025年には永野芽郁主演で映画化された。
このエッセイも同じ源泉から生まれている。出版社は「解毒エッセイ」と紹介しており、大笑いさせられたかと思えば、自分の人生について考えさせられる一冊だという。東村はまえがきでこう書いている。「仕事か恋か。真面目で安定した男か、カッコよくて面白いけど経済的に不安定な男か。結婚したら、仕事か子育てか。女の人生には分かれ道が次々と現れる」。
観察の上に築かれたキャリア
ここで興味深いのは、この本の素材が出版社からの依頼から生まれたものではないという点だ。彼女の仕事のやり方から生まれている。東村は少女漫画・女性漫画を描く漫画家として常に独自の道を歩んできた。観察し、耳を傾け、他人や自分のエピソードをため込み、それをフィクションへと変えてきた。この本はその過程の裏側を見せるものだ。脚本というフィルターを通さない、生の素材を見せている。
こうした試みは初めてではない。集英社から刊行された漫画 『ママはテンパリスト』は、自身の新米ママとしての経験から生まれ、100万部を突破した。東村は、最も効果的なコメディとは現実の居心地の悪さの上に築かれるものだと理解している。そして 『女おいわけ』 で約束しているのもまさにそれだ。ユーモアとともに提供される居心地の悪さである。
書籍データ
- 原題: 『女おいわけ 東村アキコの人間観察日記』
- 著者:東村アキコ
- 出版社:新潮社
- 発売日:2026年11月26日
- 形態:ソフトカバー、四六判
- 価格:1,760円(税込)
- ISBN:978-4-10-357261-9
今のところスペイン語版の刊行予定はない。東村の作品はスペイン語でも出版されているので、どこかの出版社が興味を示しても不思議ではないが、現時点では待つしかない。
はっきりしているのは、この本が作者にとって良いタイミングで出るということだ。2025年の映画 『かくかくしかじか』 の公開で再び注目を集め、その名前は今もなお、見下すことなく語られる女性の物語の代名詞であり続けている。私はこの本を楽しみにしている。彼女の漫画には、認めたくないほど何度も苦笑いさせられてきた。普段はフィクションのために取っておくことを全部ぶちまけるエッセイとなれば、必読に思える。
スペイン語版が出たら読んでみたい? コメントで教えてほしい。
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