是枝裕和監督による『ルックバック』実写版が釜山映画祭でお披露目
是枝監督が藤本タツキの漫画に出会った経緯と、実写化に踏み切った理由を初めて語った。
実写版 『ルックバック』 が韓国で初めて披露された。是枝裕和監督による本作は10月7日、釜山国際映画祭のガラ部門で上映され、記者会見で監督は藤本タツキの原作漫画との関わりについて語った。
藤本作品の実写化はこれが初めて。原作者は 『チェンソーマン』で知られる。是枝監督の話によると、世界的ヒット作だから手がけたわけではなく、書店で偶然この漫画を見つけたという。
映画化を想定していなかった漫画
「『ルックバック』 は人気作品ですが、映画にしようと思って読んだわけではありません。書店で偶然見つけたんです」と監督は説明した。家で読んで、衝撃を受けたと話す。
心を揺さぶられたのは物語だけではなく、作り手として突きつけられた問いだった。人はなぜ物語を書くのか、なぜ創作するのか、自分はなぜ映画を作るのか。「すべての作り手がその責任を背負っていると思います」と語った。
その最初の印象こそ、スクリーンに映し出したいものだという。是枝監督は漫画と映画では表現方法が異なると認めつつ、撮影中ずっと一つの考えを意識していたと話す。人間はなぜ何かをするのか、なぜ創作するのか、という問いだ。
互いの世界になった二人の少女の物語
『ルックバック』 は、四季を通じて一緒に絵を描き、やがて互いにとってかけがえのない存在になる二人の少女を描く。単行本1巻の漫画は2021年に刊行され、2024年にはアニメ映画版も公開された。
是枝版はこの作品にとって異なる一歩となる。アニメーションの枠から出て実写の俳優で描くことで、これほど親密な物語に新たな意味が生まれる。 『万引き家族』 や 『怪物』で知られる是枝監督は、その初の実写化にふさわしい存在だ。
現時点で、映画祭以外での公開日は未定だ。ただ釜山での上映を経てはっきりしたのは、是枝監督がこれを単なる依頼仕事として捉えていないということだ。失っていたものを取り戻してくれた物語として感じている。「映画と再会する機会でした」と語った。
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