ヨビとアマリ
完結ヨビとアマリ
手のひらに収まるほど小さなトランプ劇場では、54人のカードたちが毎晩テーブルの上で来客を楽しませている。その中で、ヨビとアマリは白紙のカード、つまり予備のジョーカーであり、舞台に立つ機会を一度も与えられたことがなかった。彼らは舞台裏で休みなく稽古を続けながら、補欠としての境遇に苛立ち、自分の価値を証明できる日を待ち望んでいた。
ある日、事故によりダイヤのジャックが炎で失われてしまう。演者が突然いなくなったことで、ヨビとアマリはついにその代役を務める可能性を見出す。しかし、彼らの未熟さと観客をがっかりさせてはならないという重圧が二人の決意を試すことになり、公演と劇場そのものの運命は糸一本でつながれた状態となる。