闇夜の時代劇
完結闇夜の時代劇
時は十九世紀の日本。流れの剣士・甚助は、悪霊に追われる困り果てた乙女と出会う。一方、版画工房で働く気丈な若い娘は、若き剣士・沖田総司の姿を描く版画の制作を任されていた。同じ歴史の幕を背景に綴られる、二つの物語。
いずれの物語も、移りゆく時代における責務と生き残りの葛藤を描き出す。甚助が無垢な乙女を守るために超常の力と対峙する一方で、工房の娘は幕府崩壊前夜の混沌のなか、自らの芸術の使命を果たそうと奔走する。異なる道を歩みながらも、彼らの姿は消えゆく日本の緊張を映し出している。