山かがし
完結山かがし
神奈川県の厚木海軍飛行場の周辺で、ひとりの少年が自分を取り巻く世界を静かに見つめている。無垢な視線の先に広がるのは、基地に出入りする外国の兵士たちと、その周囲で働く女性たちの姿だった。少年は彼らの会話や仕草、すれ違いを、善悪の判断もつかぬまま、ただありのままに受け止めていく。
タイトルが有毒なヘビの名を指すこの作品は、当時の日本社会を記録映画のような客観的な視点でとらえている。主人公の目を通して描かれるのは、外国軍の駐留によって生まれた特殊な環境と、そこで交錯する人々の力関係、そして日常に潜む厳しい現実である。
本作は、戦後の日本が抱えた占領と従属の空気を、ひとりの子どもの記憶を通して静かに浮かび上がらせる。
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