
わすれなぐも
完結わすれなぐも
すべては、はるか昔に陰陽師が巨大な蜘蛛を退治したという物語を綴った一冊の古書から始まる。古書店を営む青年・硯(すずり)は、家賃を払うためにこの本を売ろうとするが、その結果を想像することもなく、大家の孫娘・瑞希にその物語を読み聞かせてしまう。
やがて二人は、身長わずか二十センチほどの臆病な蜘蛛の少女と対面することになる。一見、この上なく愛らしい存在に見えるが、硯が新しい友に心を寄せる一方で、瑞希の中には不安が募っていく。不穏な風が吹き始め、小さな蜘蛛娘の無邪気さが、皆の平穏を脅かしていく。