
ウミユリ海底譚
完結ウミユリ海底譚
深海の世界。人魚の少女は、海の底でひとり静かに暮らしていた。周囲には沈んだ遺跡と海の生き物たちだけが広がっている。ある日、彼女は難破した人間の少年を見つけ、彼を助ける。ふたりは古い船の残骸を探検し、忘れ去られた場所に咲くウミユリの花を見つける。それは、この海の片隅における希望の象徴だった。
しかし、ふたりが共に過ごせる時間は短い。少年は海の上へ帰らなければならず、人魚の少女は再び孤独な日常へと戻っていく。波は移ろい、季節は過ぎていく。それでも彼女は、あの出会いの記憶を胸に抱き続け、いつかまた会える日が来るのだろうかと、ひとり思いを巡らせるのだった。