Tsukimi Gokochi
完結私が生まれてから、月は地球の周りを9,125周した。その一周ごとに私たちは皆歳を重ねるが、衛星は時の流れとは無関係に、変わらぬ姿を保ち続けている。これは私の祖母の物語であり、彼女の死、そして今も残り続ける幼い頃の記憶の物語である。
主人公は祖母と過ごした日々を振り返る。祖母は月のように変わらない存在に思えた。遊びや食事、会話を重ねるうちに、少女は成長していったが、その年月が大切な人にも刻まれていることに気づかなかった。今、喪失を前にして、彼女はいつもそばにいてくれた人が残した空白と向き合わなければならない。
本作は、世界が回り続ける中で不在をどう受け止めるのかを、記憶する者の視点から探求する。季節は移り変わり、人は去っていく。それでも月は軌道を進み続け、その光の下で起きるすべてを静かに見つめている。