
タイムレス
完結タイムレス
青年が目を覚ますと、そこは夢のように幻想的な世界だった。時間は目に見えない拍子に支配されているかのように、いつもと違う流れ方をしている。風景そのものから湧き上がる不思議な旋律に導かれ、彼は自分の記憶や深い感情を映し出す移り変わる情景の中を歩いていく。周囲では季節が数秒のうちに移ろい、建物は消えては再び生まれ、影たちは音楽に合わせて踊るように揺れる。
旅を進めるうちに、彼は音楽のリズムが瞬間の歩みを刻み、一音一音が過去の断片を解き放つことに気づく。その断片には光に満ちたものもあれば、痛みを伴うものもある。旋律は彼の足取りを導くだけでなく、この場所での時間の流れを理解する鍵のように思えた。だが、奥へ進めば進むほど、現実と夢の境界は曖昧になっていく。
やがて青年は、自分を形作る記憶にしがみつくのか、それとも今という拍子に身を任せるのかを選ばなければならなくなる。音楽が彼を完全に包み込み、そして時間がついに止まるその時まで。