
白いうなばら
完結白いうなばら
雪に覆われた海へ、母は娘の手紙を密かに投げ入れる。その行動に疑いを持った娘は、漕ぎ舟に身を隠し、母に気づかれないよう後を追う。
舟に閉じ込められた娘は、氷が溶けるのを待ちながら、口にできない想いと向き合う。凍てつく風景が二人の抑えた感情を映し出すなか、母と娘の距離と向き合う静かな旅が始まる。
やがて氷が緩み、舟はゆっくりと動き出す。娘は母の背中を見つめ、これまで伝えられなかった言葉を胸の奥で繰り返す。母もまた、娘の存在に気づきながら、あえて振り返らずにいる。白い海原の上で、二人は言葉にできない時間を共有し、少しずつ心の氷を溶かしていく。