白旗の少女 琉子
完結白旗の少女 琉子
1945年、第二次世界大戦中の沖縄にアメリカ軍が上陸する。小さな琉子は祖父母と静かな村で暮らしていたが、侵攻によってすべてが一変する。逃げることを余儀なくされた琉子は祖父母と離ればなれになり、母と妹とともに危険な旅に出る。しかし戦争は容赦なく、母と妹は逃避行の途中で命を落とし、琉子は混乱のただ中にひとり取り残される。
少女は戦火に焼かれた島を横断しなければならず、爆撃を避けながら飢えと恐怖に立ち向かう。道中、日本兵が立てこもる洞窟に身を寄せるが、そこでさらに胸が張り裂けるような光景を目にする。捕虜になる前に、兵士たちが自ら手榴弾で命を絶つ姿だった。琉子は生き延びる本能にすがり、安全な場所があるかどうかもわからないまま歩き続ける。
沖縄戦の降伏時に白旗を振る少女の実写映像に着想を得た児童書を原作とする本作は、無垢な子ども時代の目を通して、生き延びようとする戦争の悲惨さを描き出す。