
ポップ
完結ポップ
漆黒の列車が、駅も目的地もない無限に広がる抽象的な風景を休みなく走り続ける。遠くから見れば、その煙は柔らかく、規則的な車輪の音はどこか心地よく、まるで乗車への誘いのように感じられる。しかし近づくと、その機関車は驚異的でありながら恐ろしい獣の姿を現す。怪物のような咆哮は見る者の骨の髄まで震わせ、歯車とピストンは止まることを知らない激しさで動き続ける。
列車は空虚をかみ砕きながら進み続け、どこにも辿り着かない催眠的な旅を繰り返す。乗客の姿も、操縦する機関士もいない。あるのは機関車の轟音と、熱にうなされた夢のように歪み流動する風景だけである。久里洋二によるこの短編実験アニメーションは、観る者を純粋な感覚体験へと没入させる。音と映像が一体となり、不安と魅了が入り混じる雰囲気を生み出し、進歩が持つ機械的で野性的な本質を探求する。
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