
鬼平~その男, 長谷川平蔵~
完結鬼平~その男, 長谷川平蔵~
江戸時代、一人の若者が江戸の下町を歩き回り、「鬼の平蔵」と恐れられた火付盗賊改方長官・長谷川平蔵の話を集めていた。彼を敬愛し、間近で知る久八、彦十、おまさの証言を通して、若者は盗人や悪党どもに恐れられた男の姿を少しずつ浮かび上がらせていく。
聞き集めた話からは、平蔵の若かりし頃や、彼が非情なまでに法を貫く役人へと至る道のりが明らかになっていく。語り手たちはそれぞれに、鬼平と呼ばれた男の人となりや、「犬」と呼ばれた密偵たちとの関わりなど、人物像の一端を語っていく。
やがて若者は、まだ明かされない自らの動機を胸に、目白台にある平蔵の私邸を訪ねる。そこで妻・久栄が最後の証言を差し出す。訪問者と伝説の警察官との本当のつながりが浮かび上がるにつれ、物語の断片が一つに噛み合い始める。