おじいさんの電車
完結おじいさんの電車
少年と祖父は、おもちゃの電車への情熱を分かち合っていた。毎日午後になると、少年は友達と野球場へ行くよりも、家に残って線路や車両で遊ぶことを好んだ。部屋に広げたレールの上を走る小さな列車を見つめながら、二人は時間が経つのも忘れて過ごした。
しかし、祖父が突然この世を去り、少年はその不在が残した大きな空白と向き合わなければならなくなる。かつて一緒に遊んだ線路も車両も、今はただ静かにそこにあるだけだった。それでも少年は、祖父と過ごした日々の思い出を胸に、悲しみを乗り越えようと少しずつ歩み始める。
やがて少年は、祖父が遺したおもちゃの電車に再び手を伸ばす。線路をつなぎ、車両を走らせるたびに、祖父との温かな時間がよみがえってくる。そうして少年は、二人を結びつけていた絆を自分の心の中で生き続けさせる方法を、ゆっくりと見つけていくのだった。