
おばあのお守り
完結おばあのお守り
年老いた女性が、田舎の家でひとり静かに暮らしている。思い出に囲まれた彼女の大切な持ち物の中に、孫が都会へ勉強に行く前に贈ってくれた小さなお守りがある。素朴でありながら深い意味を持つその品は、庭の手入れや食事の支度、便りを待つ日々を送る彼女の、毎日の寄り添い手となっている。
日々が過ぎるにつれ、二人の間の距離はよりはっきりと感じられるようになる。女性は孫と過ごした時間を思い返す。笑い合ったこと、教えたこと、野原を歩いたこと。いつも手に触れてすり減ったお守りは、彼女に残された唯一の形あるつながりだった。小さな仕草や地平線を見つめる眼差しを通して、待つことは彼女の存在の中心となっていく。時は容赦なく流れていく。