野ばら
完結野ばら
ヨーロッパの二つの国を隔てる国境で、二人の国境警備官が孤独な日課を続けている。一人は年配で経験豊富、疲れを滲ませた男。もう一人は、この持ち場に着いたばかりの若者だ。任務が課す距離にもかかわらず、二人の間には尊敬と友情が芽生えていく。
日を重ねるごとに、偶然の出会いは会話や小さな助け合いへと変わっていく。しかし、政治的緊張とそれぞれの政府からの命令が、その脆い絆を引き裂こうと迫る。二人は、互いの中に見出した人間らしさを守るため、どこまで踏み込む覚悟があるのかを決断しなければならない。