
人魚ノ唄
完結人魚ノ唄
人気のない寂しい浜辺で、少年と少女は崖の壁に絵を描いて日々を過ごしていた。彼らが使うのは、浜辺で見つけた黒い魚でできた棒。それは彼らの日常の一部となっている奇妙な素材だった。周りには大人も他の子供も見当たらない。あるのは二人と海、そして何度も何度も絵を描くという儀式だけ。
ある日、砂浜に黒い魚たちとはまったく違う青い魚が一匹打ち上げられる。思いがけないこの発見は、閉ざされた世界の単調さを破る。青い魚は色が違うだけでなく、子供たちには理解できない謎を秘めているようだった。それを遊びに取り入れようとするうちに、現実と空想の境界は曖昧になり始め、二人の関係は自分たちでは制御できない力に影響されていく。景色のちょっとした変化に思えたものは、やがて深い心理的変化の引き金となっていく。
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