
無軌道な線たち
完結無軌道な線たち
白紙の上に鉛筆で描かれた線が、自らの意思でうごめき始める。描き手はそれらを完全に制御できなくなり、線はまるで自らの運命を追い求めるかのように、新たな地平へと容赦なく進んでいく。単なる筆跡に見えたものは、作者の意図に逆らう生きた有機体へと変貌する。
本作は、生成、蓄積、沈黙、再興、変容、増幅、拡散という七つの章で構成され、この現象の異なる局面を探求する。各章では、線が集まり、静まり、蘇り、形を変え、広がり、伝播していく様子が描かれ、絶えず進化し続ける視覚的な宇宙が生み出される。台詞も人間の登場人物も存在しない本作は、創造の混沌と、創作物そのものが持つ自律性についての思索へと誘う。観客は、線が創造主から解き放たれ、自らの道を描いていく催眠的な旅に立ち会うことになる。