
KUROKO
完結美術を学ぶ女子学生が、自室の窓から外の世界を眺めている。彼女のデッサン帳の中では、通りを過ぎていく名もなき人々が小さな黒い影となる。それは歌舞伎の舞台で、観客に見えないまま道具を動かす黒子のようだった。通りすがりの一人ひとりが、日常という舞台を支える黒子なのだ。
彼女は気づく。自分自身も含めて、誰もが誰かのために働きながら、認められることのない黒子なのだと。手紙を届ける郵便配達員から、歩道を掃くおばあさんまで、彼女はスケッチを通して、目に見えない存在たちがどのように世界を支えているのかを探求していく。
本作は、主役になろうとせずに日々の生活を成り立たせている人々の価値について、静かに問いかける。
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